2008/08/26

水中運動で血圧が下がる訳 [2. 水温]

寒いのは悪い事ではない!!


前回,水中運動で血圧が下がる訳の一つ目として
水の密度に由来する"水圧"に関して簡単に述べました.
(水圧に関する詳しい記述はまた別の機会でしっかりやりましょう)

今回は,水中運動で血圧が下がる訳の二つ目として
同じく水の物理的特性に注目して書きたいと思います.

水の物理的特性としては,これまで主に密度に由来する話 (浮力,抵抗,水圧など) を中心にこのブログを書いてきましたが,今回は熱伝導率というものに着目しましょう.

熱伝導率とはその名の通り,熱を伝える力なのですが,
水の熱伝導率は空気の約25倍といわれています.
つまり,水は空気に比べて熱を通しやすい物質であるといえます.

という事は,水中運動時には人の身体は水に接しており,
さらに,プールの水温は30℃くらいですので,
体温が奪われやすくなることがわかります.

この体温低下を防ぐために,人の身体は水に触れると抹消の血管が収縮し,
中枢に血液を溜め込む働きを起こします.

いわゆる静脈還流の増加とほぼ似たような現象が起きるのです.

この続きは前回の水圧の時と同じで,
心拍出量の増加,血液循環の促進等を引き起こし,
結果的に血圧に良い効果を及ぼす事に繋がります.

ただ気をつけなくてはいけないのは,末梢血管の収縮があまりにも急激すぎると血圧が上がりすぎて逆に危険です.
身体への負担も考えると,余り低水温や急な入水は避けるべきですね.

関連リンク
水中運動で血圧が下がる訳 [1. 水圧]
プールの水と海の水[1. 浮力]
常総市水中運動継続教室[3]
水中では歩くだけで筋力が鍛えられる?

by Dr.Aqua (KK)

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